電話

2/25
17人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
「もしもし、和也くん?」 「ええ、そうですけど…」 「私、わかる?  キダ アケミって言うんやけど?」 電話から聞こえてるのは、知らない中年女性の声だ。 「いえ…ちょっと…」 「初美さんの葬式の時に会ったんやけどね」 「はぁ…」 俺は、生返事をしながら、電話を耳に当てたまま記憶を呼び戻す。 妹の初美が死んだのは、3年前だった。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!