第貮段 原城

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「宗矩!しっかりするのだ宗矩!」 「宮本武蔵・・・・奴を放っておいては、 この日の本にバテレンが蔓延(はびこ)り、 南蛮の領土となる・・・・ そうなる前に奴を倒せ・・・・頼んだぞ・・・・お前にしか出来ぬ・・・」 そう言うと宗矩は、 武蔵の腕の中で力尽きた。 かつての好敵手が倒され、 それを自分に託された。 自分の為だけに戦っていた武蔵の中で、 今まで抱いた事の無かった使命感が、 芽生えつつ有った。 「よく分からぬが、 あやつを倒せば良いのだな・・・・ 言われなくとも!」 「はっはっは!どうした異教徒ども!? 共に地獄に堕ちる算段か? 今すぐ行かせてやるぞ!」 「ふん!」 武蔵は柄だけとなった丸太木刀と、 爛(ただ)れた巨大刀を投げ付けた。
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