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金田は安藤に向けて一枚の写真を提示した。
安藤が落とした単位、物理の担任、鈴木教諭が若い女性を伴ってホテルから出てくる写真である。
これを鈴木に渡すように、金田は提案した。
しかし安藤は、写真を見るなり、眉間にしわを寄せた。
この写真で、鈴木を強請るつもりか!?
そんな汚い真似はできない! 俺にも多少なりのプライドというものがあるという。
金田は鼻で笑った。
留年がかかっているというのに、何がプライドだ。
そして、何かにつけて先輩風を吹かせる安藤に言っておかなければならないだろうと、心に決め、金田は大きく息を吸い込んだ。
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