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いつも一人で座っていたベンチだったけれど、今は隣に彼がいる。
「そういや君名前は…?」
「ゆき…。」
「ゆきちゃん、いい名前だね。俺はりょう」
「りょう君ね、」
「あ、でも…ケーキとか食べれないよね…」
「食べれない。でも、一緒に祝ってくれればそれでいいんだ。」
「ん、そう」
やはり彼は優しく微笑んでくれる。
「泣きたい時は泣いてもいいんだよ」
その一言で私の溜まっていたものが溢れ出てきた
「こ、この二年間誕生日は二回来た…でも、誰にも祝って貰えなくて、ケーキだって食べれなくて、ずっとずっと寂しかった!十七歳のままで、誰もいない暗くて寂しいこの公園で、過ごして…きた。」
「辛かったね、」
彼の頬を撫でようとして人の温もりを感じたくても、感じられない。自分の頬を撫でても温もりがない。冷たい。嫌だ…嫌だ!
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