雫ぽろりバースデー

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ホールのいちごケーキ。 金の包装紙の子供シャンペン。 プレゼントは栗色の髪の可愛い人形。お母さんが部屋中をバルーンや紙の花で飾ってくれたりして。 大人になると誕生日祝いって、 時に微妙だったりする。 私・柳瀬はるかの所属する電算課には、代々女性社員だけでやる年中行事がある。 それが「誕生日祝い」 電算課の女子6人のうちの誰かが誕生日を迎える日(その日が土日祝の場合は前倒しする)皆でお金を出し合い、ケーキを買ってきて、3時の休憩に食べるのだ。 主役はもちろん、奢ってもらえて一番に好きなものを選べる。本来デスクでお菓子を食べるのは禁止だけれど、この日だけは 時山課長も目をつぶってくれる。 課長の目の前で「美味しいね」「幸せ~」とか言いながら甘味に舌鼓を打つのだ。 (ちなみに眼鏡が似合う知的なタイプの36歳独身の時山課長は甘味が苦手。 ケーキは子供の頃食べたきりだとか)
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