雫ぽろりバースデー

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みな、クタクタだ。 「良かった、なんとか終わったねー」 終業の6時少し前に残務が終わり、皆、個々のデスク回りを片付け始める。 私の誕生日なんて、すっかり忘れ去られている。 仕方ない、こんなトラブルがあったのだから…と思うけど、胸の奥に消化しきれない重い塊が残っているのは否定できなかった。 忘れるのは、まあいいとして。 明日、誰かが私の誕生日を忘れていたことに気づく、というのが気まずい。 忘れててごめんなさいね、なんて謝られちゃってもね… いっそ、このまま永久に思い出さないで欲しいよ。 そんなことを考えながら、帰り支度を始める。弁当箱の入ったミニバッグをデスクの一番下の引き出しから取り出した。
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