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1 平穏と退屈のちがい
窓の外、校庭のほうから、歓声がきこえてきた。
体育の授業が、かなり盛り上がっているらしい、高跳びでもやっているんだろうか。
うとうとと、まぶたが閉じてしまいそうになるのを必死にこらえながら、俺はそんなことを考えた。
午後の授業はクソ眠い。
特に、休み時間に弁当を腹いっぱい食べたあと、数学教師の淡々とした声をBGMに、こんなに日差しが暖かな窓際の席にいるときなんかは。
ああ、だめだ、寝てしまう…。
カクッと首が落ちそうになったとき、俺の制服のブレザーのポケットに入れていた、マナーモードのスマホが数回ふるえて、その感覚でハッと一瞬目が覚めた。
またか…と思ったからだ。
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