私の望を聞いて欲しい

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「ゆきちゃん、お誕生日おめでとう」 お誕生日おめでとう、なんていい言葉なんだろう。 その一言を私はずっと求めていたんだ。 「ありがとう、本当にありがとう…!」 お礼をいくら言っても足りない、本当に嬉しい。 こんなに良い言葉があるだなんて 一番あたたかい言葉なんじゃないかと思う。 「もう、思い残したことはないよっ!」 私は今までで最高の笑顔を見せた 「ゆきちゃんは笑顔が似合うよ。凄く綺麗」 「りょう君、1つお願いがあるの」 「なに?」 「生きて、私は何もできなかった。だから、私の分まで悔いのないように生きて!」 「おう!」 あぁ、凄く心が軽い。 すっきりした。雲一つない快晴のように それと同時に私の身体はどんどん透け始めていった 「もう、時間が来たみたい。どうか、お元気で。本当にありがとう。私はずっと見守っているよ!」 「おう、ゆきちゃんも忘れないでね"一人じゃない"ってことを。俺も本当にありがとう。そして、お祝いできて良かった。そして、頑張れよ」 そして、私の姿は笑みと共に消えていった。 誰もいない公園で彼は言った。 「精一杯生きる!どんな辛いことがあっても、挫けそうになっても、一人じゃないってことを信じて悔いのないように生きるから!」 彼は彼女が行くところを知らない。 でも、見えなくてもお互い頑張りあってることを信じて… 2人は今日を、そして毎日を頑張って過ごしている 悔いのないように、振り返らずに前だけを向いて。 誕生日、それは誰もが喜びあい、成長していく節目となる大切な一日。 時間が止まらないように、自然に誕生日は来る。 数え切れない言葉の中で最高の言葉。 身近で無意識に言ってるかもしれない、だけど。 この地球の中にいる 今日が誕生日だという全世界の君へ贈る最高の言葉 君のこれから掴んでいく幸せを願って Happy Birthday
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