1 誕生日の贈り物

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 7月9日は、アルセラフィム姫の十四歳の誕生日だった。  そこで、姫の兄であるアウルセランス王子が、誕生日のお祝いにどのようなプレゼントが欲しいのかを、妹にたずねた。  「なんでもいいから、遠慮せずに欲しいものを言ってごらん」  穏やかな日差しがふりそそぐ、ちいさな庭で二人きり。  おおきな木蓮の下にならんで座って、青く広がった夏の空を眺めながら、のんびりと兄妹で会話を楽しんでいた午後。  兄がいきなり自分の誕生日の贈り物について語りだしたので、アルセラフィム姫はびっくりしてしまった。  それはもちろん、うれしい驚きだった。
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