距離

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急いで自転車を取り、漕ぎ始めると、校門のところに波留を見つけた。 「波留!」 航太は大声で波留を呼んだ。 波留は驚いて立ち止まり振り返った 「航太」 2人は、海岸通りを並んで歩いた。 互いに何も話せないでいる。 そんな波留の横顔を、航太は見た。 その波留の顔は、少し曇っているように見えた。 「あ、あのさ」 航太は勇気を出して話を切り出した。 「なに?」 「お前さ、最近朝も起こしに来ないし家に遊びにこないし、学校でも絡んでこないし、なんかあったの?」 「ううん!なんにもないよ」 波留は無理に笑顔を作った。
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