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 一連の犯行が、たとえ人ならざるものの仕業だとしても、今回ばかりは美幸も驚かないような気がしてならなかった。  だが、美幸が刑事である限り、例えどんな相手であろうが犯人を捕まえないわけにはいかなかった。  これ以上、不幸な被害者を増やすわけにはいかないのである。 「さて、やじ馬も増えてきたようだし、俺らは周辺の聞き込みにでも行くか」  草介に肩を叩かれて、美幸はやじ馬から視線を逸らそうとした。  しかし、ふと目の端に捉えた一人の長身の男の姿に目を魅かれて、そちらへと視線を再び戻したのだった。  均整の取れた長身を黒いロングコートで包み、美幸がこれまでに見た誰よりも端正な面差しをしたその青年は、美幸と視線が合うと切れ長の瞳を細めて穏やかに微笑んだ。  ただのやじ馬とは思えない優雅で上品そうな物腰と美貌のその青年とは、実は美幸は以前にも面識があった。 「……あいつ、また来てる……」  眉を寄せて美幸が呟くのに、その視線の先の人物に気づいた草介も、「ああ、本当だ」と頷いた。 「まぁ、仕方ないんじゃねぇの。それが、あの先生の仕事なんだからさ。今回の事件の、犯人像のプロファイリングもあの人が担当してるんだし」 「……犯罪心理学者、か?そんなの、本当かどうか分かったもんじゃない」     
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