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同意を求める草介には苦笑を返し、真生がそう言うなら、確かにあの男は優秀な犯罪学者なのだろうと、美幸も渋々認めることにしたのだった。
その後、科捜研の方からも、正式に今回の一連の連続殺人事件の犯人像のプロファイリングを里見が担当することになったとの知らせがあった。
(あの時に言っていた、「また会いましょう」って台詞は、もしかしてこうなることが分かっていたからなんだろうか……)
とりあえず美幸自身、悪気はなかったとは言え、里見のことを尋問をしようとしたことは悪かったと思っている。
思ってはいるのだが、里見の取り澄ました美貌を目の前にすると、何故か反抗心が沸き上がってきてしまい、どうしても素直に彼を認める気持ちにはなれない美幸なのであった。
「おい、先生さっきからずっとこっち見てるぜ。一応、挨拶しておいた方が良いんじゃねぇのか?」
草介に肘で小突かれて、美幸もようやく「分かってるよ」と渋々頷いた。
正式なプロファイリング担当となったこともあって、里見に関しては、美幸の直属の上司である三橋警部からも、「くれぐれも無礼のないように、出来るだけ里見先生の仕事には協力するようにな」と厳しく釘を刺されている。
「……何で自分よりも年下の相手を、先生とか呼んでペコペコしなきゃなんないんだよ。ムカツクなぁ」
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