深夜のダンス

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深夜のダンス

圭介との出逢いは、突然だった。 コンパの幹事や、紹介を頻繁に引き受けるさやかは、夜遅くに自宅の部屋で顔を歪めていた。 携帯を手にし「無理!ヤダ!行きたくない!!」とひたすら癇癪を起こしている。 泊まりにきていた美佑紀は、心配そうになだめていた。 明日、マンツーマンで紹介する事になっていたのに男側がドタキャンしたのだ。 数ヶ月前から日程まで決まっていたのに! どうやら自信がなく、1人で会う勇気がなくなったらしい。 40過ぎた男が情けない! 腹立たしさやら、紹介する予定だった女友達に申し訳ないやらで、夜遅くだというのにプチパニックになっていた。 その日の為に仕事の休みをとった女友達にあまりにも申し訳ないので、急遽飲み会を開く事になったのだが、なかなか話がまとまらない。 事態を丸く納めるには、幹事のさやかが出席するほかなかった。 よりによって、その日もう1件の飲み会幹事も引き受けていた。 仕事帰りに..。 時間がやや被るし、飲み会続きで体力的にもシンドイし、明日のスケジュールを考えるとめまいがしてきた。 行きたくなくて仕方なかった。 仕方なかったはずだった。 翌日、夜の街には弾ける笑顔のさやかがいた。もともとが期待も何もなくいやいや参加したからだろうか。 正直、今までの飲み会の中で一番楽しかった。 圭介の虜になっていた。 酔った勢いもあり、圭介と同じタクシーに乗り込んだ。 次の飲み会は逆方向なのに!
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