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「いや、いいよ送らなくて」
ひょうひょうと断る圭介に、さやかは
「この私が!送るとかありえないよ?!」
頼まれてもいないのに、むしろ断られているのに無理やり送ろうとして圭介を困らせていた。
完全な姫キャラ化しており、上から目線発言が止まらない。
断られてもめげずにタクシーに乗り続けた。
週末の駅の改札口は大勢の人でごった返していた。
完全にできあがっていたさやかは、スカートの端を両手で持ち、お姫様ポーズを決めていた。「私はいろんな人に食事に誘われるのよぉ~♪」そう訳のわからない事を言いながら、圭介の前でクルクル回っていた。
まるで求愛ダンスのようだ。
困惑する圭介、とりあえずハグをしようとしたが血相を変えたさやかは拒否した。
ツンデレもいいとこだ。
新幹線の時間が迫り、圭介は改札口を通った。
エスカレーターを登りながら振り返ると、さやかはまだそこにいた。
ニコニコしながら、思いっきり手を振って。
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