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なかには開き直っている人もいた。
英吉もその一人だ。
可愛くて最高の彼女がいる、ただそれだけで
大満足だった。
仕事も頑張れるし、周りにも優しくなれる。
普通の人間としか付き合わないやつには、声を大にしていいたい。
一度試してみてほしい。
軽蔑する前にこの素晴らしさを!
そんな英吉も昔は違った。
親に孫の顔を見せたいとか、家庭を持ちたいとか人並みの欲があった。
ただ、そのエゴを抱いて、無理をしているような気がしてならなかった。
ほんの出来心から、それに手を出してみた。
自分好みのプログラムでできた、彼女。
付き合い出してから、笑顔が増え、人当たりも良くなり足踏みしていた出世が前進した。
昇給もし、生活も向上した。
親はたとえ孫の顔が見れなくても、息子が日々幸せそうに満ちたりた生活をしている事に満足してくれた。英吉自身もそうだった。
みなみと結婚できて、子供ができたらどんなに幸せか。そう願う事もないわけではない。
だが、たとえそれが叶わなくても十分幸せだ。そう言い切れる。
みなみといるだけで、全てが素晴らしく思えた。
完全に中毒者の症状だった。
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