135人が本棚に入れています
本棚に追加
サワルナ、キケン。
──俺好みの脚だと思った。
小さく丸まった爪先、細い足首と少し筋肉質なふくらはぎ、それに続く締まった色っぽい太腿。
ゆっくりと覗いた足元からシーツをめくり、次第に露わになっていくその脚を眺めているだけで、瑛海の下半身は熱くなり、じわじわと海綿体に血液が集まり出すのがわかった。
──だが、次の瞬間、予告なしのフリーフォールさながら、その興奮は急速に垂直落下した。
「ウオオオオーーーー!!」
美しい脚の付け根には、美しいとは真逆の汚物が、自分と同じ男の証が付いていたのだ。
「なっ……なに?!」
瑛海の野太い雄叫びに、美脚は跳ねるように飛び起きた。
飛び起きた美脚の持ち主は全裸で、起き上がると同時にシーツが腰まで落ち、厚みのない胸板までもが露わになった。
見なくてもいいとわかっていながら、瑛海はその胸板を脳裏に焼き付けれそうな勢いで凝視してしまい、五秒で後悔した。
──俺好みの脚の正体は……男だった。
瑛海は脳回路が正常に作動していない状態で、なぜこんな事に自分は直面しているのかを、必死に考えた。
最初のコメントを投稿しよう!