サワルナ、キケン。

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サワルナ、キケン。

──俺好みの脚だと思った。  小さく丸まった爪先、細い足首と少し筋肉質なふくらはぎ、それに続く締まった色っぽい太腿。  ゆっくりと覗いた足元からシーツをめくり、次第に露わになっていくその脚を眺めているだけで、瑛海(えいみ)の下半身は熱くなり、じわじわと海綿体に血液が集まり出すのがわかった。 ──だが、次の瞬間、予告なしのフリーフォールさながら、その興奮は急速に垂直落下した。 「ウオオオオーーーー!!」  美しい脚の付け根には、美しいとは真逆の汚物が、自分と同じ男の証が付いていたのだ。 「なっ……なに?!」  瑛海の野太い雄叫びに、美脚は跳ねるように飛び起きた。  飛び起きた美脚の持ち主は全裸で、起き上がると同時にシーツが腰まで落ち、厚みのない胸板までもが露わになった。  見なくてもいいとわかっていながら、瑛海はその胸板を脳裏に焼き付けれそうな勢いで凝視してしまい、五秒で後悔した。 ──俺好みの脚の正体は……男だった。  瑛海は脳回路が正常に作動していない状態で、なぜこんな事に自分は直面しているのかを、必死に考えた。     
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