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祝入寮
「東京と言っても案外田舎なんだな。」
電車を降りてバスを乗り継いで到着した学校は、東京といっても緑多い、のどかな場所だ。
まぁ、寮も併設されてるから都心の方じゃ中々難しいのだろう。
早速、校門をくぐり校舎へと足を向けたが、ただっ広い構内に改めて感慨深く辺りを見回した。
推薦入試の時に来てはいるが、あの時は入試の事で頭が一杯で あまりじっくりと見る事は叶わなかった。
『私立蒼龍男子高等学校』(しりつそうりゅうだんしこうとうがっこう)
文武両道をモットウとした学校で設立者の理事長と、その弟の校長の名前が付いているそうだ。
文武両道とあるだけにスポーツ推薦でもそこそこの筆記テストをさせられる。
至って普通の成績の俺は大分がんばった!それもこれも、ゆくゆくは爺ちゃんの道場を継いで全国に道場普及できるまでに大きくするためだ!それが俺の夢。
その為に全国大会常連のここに入学すれば良い箔がつくってもんよ!
玄関横の用務員室兼受付で受付を済まし、職員室へ行くよう言われた。まだ上履きを購入していないのでスリッパを履いて職員室へ向かう。ペッタン、ペッタンと虚しい音を聞きながら廊下を歩いていると別れ際の由紀ちゃんが思い出される。
「チュウだけでもしておきたかった…」
手をつなぐだけで終わらせるなんて!今時 小学生でももっと進んでるだろ!!
潤んだ目で上目遣いの由紀ちゃん…テラカワユス!!
妄想の中の由紀ちゃんと初チュウのシュミレート(キモッ。でも表情には出てないから良い。)していると…
「ボウフォ。」何かに顔面圧縮された。
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