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その頃、空手部部室では須藤が稀にみる慌てぶりで主将の神田へ
詰め寄っていた。
「先輩!中村が生徒会室へ連れて行かれました!!!」
「何故だ!風紀委員には何も入ってきていないぞ!?」
「やっぱり…先輩が許可を出してるとは思えなかったんですけど
あんまり堂々と来たもんで、そのまま行かせちゃいました。」
須藤は苦痛の滲んだやりきれない表情で言うと
神田が静かな怒りを称えた顔で頷いた。
「生徒会での面会、及び尋問、面談は原則風紀委員の立会いの下
行われる。今回の件は立派な原則違反だ。」
「先輩、恐らく中村はこの学校の事を本当に何も知りません。
一体理事長が何を考えて入学させたのかは分かりませんけど
オオカミの群れに羊が放り込まれたようなもんです。」
「知っている。…行くぞ!」
「はい。」
そう言うと二人は生徒会室へ向けて走り出した。
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