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もう薬が効いてきたのか少し眩暈がしたが立ち上がった芳樹は入口へと足を向けた。
しかし、逆に入口から入ってきた者に阻まれてしまう。
入ってきたのは今朝も壇上で見た会計と書記だった。
「私達への挨拶がまだのようですが?」
冷たく見下ろしてくる会計の森に
「そうだよー、俺まだよっしーの顔じっくり拝んでないし?」
おちゃらけた調子で詰め寄ってくる書記の佐野。
てめぇ、勝手にふざけたあだ名付けてんじゃねえよ!!
大体、何で俺なんかに拘るんだ、薬使うなんて犯罪だぞ!?
聞きたい事があるなら堂々と来いよ!!!!!
心中で芳樹は憤るが声には出ていない、如何せん薬が回ってきたのか足元は覚束ないし
キッと睨んできた瞳も涙目で情けない事になっている。
それでも扉の前から動かず朦朧とした頭で打開策を練っていると
顔をしかめる程の強さで腕を掴まれた。
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