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「いっ!」
振り返ると190cmはあるだろう会長が冷たい目で見下ろしていた。
「流石、礼儀の知らない庶民だな。」
そう吐き捨てると続けた。
「お前は何の為にこの学校に入った?」
何でこんな手法でこんなくだらない事を聞かれるのか納得がいかない。
まずはその腕を離せと言ってやろうとしたのに芳樹の意に反して
口からは素直に答えが出てきた。
「空手部のインハイ常連だから…
爺ちゃんの道場継いだ時箔が付くと思ったから…」
「…質問を替えよう。
お前はどこの手の者だ?俺に敵対する政治家か、
媚びを売り傘下に入ろうとする企業か?」
会長は腕を離さぬまま芳樹の顔を見、返答を待ったが
芳樹は焦点の合わない目を彷徨わせたまま答えない。
業を煮やした当麻が副会長に尋ねた。
「塩谷、これは薬に抗っているのか、質問の仕方が悪いのか?」
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