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「な!貴様何を言っている!中村は物ではない!!
そもそも風紀委員を通さず面通りなど許されんぞ。」
早々に神田が立ち直り憤怒の表情を隠さずに詰め寄った。
それには何も触れずに副会長塩谷が呆れたようにため息をつく。
「会長…またそれですか?」
「ふん、自覚無しで操られている可能性もある。
敵対組織にしろ、そうでないにしろ懐に入れてしまえば此方にも情報は筒抜けになる。
取り敢えず傍に置いて行動を制限させれば良いだろう。」
会長もまるで神田の存在を認識していないかのように不敵に微笑んだ。
「はあ、それに振り回される私達の身にもなって下さい。
周りへのフォローが大変なんですよ?」
「俺はいーよー。何にしろ生徒会の玩具ができるって事でしょ?」
当の本人を差し置いて会計、書記も好き勝手な事を言っている。
芳樹はまだショックを引きずっているのか俯いたままだ。
それまで固まっていた須藤だったが、あまりの勝手な言い分に怒りに
目を光らせズカズカと歩み、おもむろに会長の胸倉を鷲掴んだ。
「こいつは本当に何も知らない。お前らの勝手で人を玩具にするな。」
その目は静かな怒りを称えている。
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