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そこまで言われると、何だか恥ずかしい。
嬉しいやら、恥ずかしいやら、身悶えしたいのを我慢しながら、月山薫の言葉に耳を傾ける。
「そのくせ、抜けてるとこあるし、無自覚でハラハラさせられるし、馬鹿みたいに無防備だし、周りの奴らの思惑とか、すっ飛ばしてくるし、ほんと、すげえ振り回されてるよ」
ん?
いつの間にか、非難に変わってる?
困惑の眼差しで月山薫を見上げると、ふわりと微笑んだ月山薫が、空いている方の手で俺の頬に触れた。
「そういうところも全部ひっくるめて、お前が好きだ」
『好き』
その言葉に、鼓動が跳ねて早くなる。
「本当は、誰にも見せたくねえし、出来るならここに閉じ込めてえぐらい、お前を独り占めしたい」
…………やばい…。
どんどん早くなる鼓動に、顔が熱くなる。
身体が震える。
「朝も昼も夜も、ずっとこうして、お前を抱いて、その存在を確かめて…」
「も…もういい」
ストップをかける俺を、月山薫は不服そうな顔で見下ろす。
「んだよ、まだ途中じゃねえかよ」
「そ、それ以上は、恥ずかしすぎて死ぬ」
相当赤いだろう顔で見上げると、月山薫はクスクスと小さく笑った。
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