7ターン目 ゾンビA B C が現れた!どうする?

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7ターン目 ゾンビA B C が現れた!どうする?

 内心、今の状況が恐ろしい。こんな優しそうな兄ちゃんがゾンビだなんて。肩を貸してくれる兄ちゃんがいろいろと話しかけてくれているが、頭には何も言葉が入ってこない。話しかけられた時点で詰め物の薬をかみ砕いた。最後に店主に頼んだ水を一気に飲み干している様子をゾンビに見守られながら。  目薬の効果はちゃんと出ているようで、左目に映る男は胸のあたりに黒いもやが漂っている。  薬の効果で酔いは醒めたが、顔はまだ熱く、足も震えている。酒のせいではなく、ゾンビに捕まっている状況にビビッて足の震えが止まらない。演技なしでも足が酔っ払いのような足取りになっているおかげが、相手も不審がらない。不幸中の幸いだ。 「おい、兄ちゃん。歩けそうか?ここじゃ空気が悪いだろ?少しいい空気が吸えるとこまで連れてってやるよ」  うん、いい人そうな顔してんのに。これでゾンビなんだよな。昔、ギルドに入ったばかりの頃に教わった言葉を思い出す。 ーー魔物の見た目に騙されるな。いくらかわいい姿をしていても、どれだけ人懐っこくしてきても、魔物は魔物だ。魔物と仲良くすることはできん。魔物にも、理由あってその姿をしている。自分の勝手な都合で解釈して気を許すな。  あの後、教えてくれたおっさん、角は得たウサギを家で飼おうとしてウサギの魔物に殺されたんだっけ。いいこと教えてくれたのに。年取ってからできた娘の我儘に逆らえなくて魔物を飼おうとするとは。身をもって教訓を与えてくれた。  イエスともノーとも言えないままドンドン進み、とうとう繁華街の端っこまで連れてこられた。そろそろだろうか?本当にキールのおっさん、尾行してる?じゃないと俺、今からゾンビになるよ?今から死ぬかもしれないと思うと、本当にくだらん日常を思い出すらしい。用をたすとか言って逃げようか?本当にちびりそう。 「おい、兄ちゃん。そいつ俺の連れだわ。手ぇ引いてもらおうかゾンビ野郎」  救世主来たぁ。おっさん、登場のしかた、カッコよすぎでしょ。  
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