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9ターン目 会心の一撃っ!エリアマネージャーは降格する
「お前らぁあ!あ?」
ーー数が減ってる。どういうことだ?一夜でこんなに減るなんて初めてだ。
「おい、教育担当。これはどういうことだ?説明しろ」
「はい、エリアマネージャー。どうやら、新人の中に裏切り者が出たようで。申し訳ありません!」
「裏切り者だぁ?そんなことすりゃ、そいつらだってどうなるかくらい分かるだろ?それも分からないくらい腐ってんのかぁ?」
「いえ、そうではないようです。裏切者は人間側に味方している模様です。帰ってきた新人ゾンビたちから多数目撃情報が寄せられています。ここでの活動はいずれ出来なくなるのも時間の問題です」
教育担当のコイツが言うなら事実なんだろう。しかし、そうなれば俺の立場も危うくなる。どうする?
バサッバサッ!
羽音のする方を自然と向くと、隣のエリアマネージャーがドラゴンゾンビに一緒に降りてきた。
「おい!ここは俺様の縄張りだそ。規定違反だ。統轄部長に報告してやる!」
「その必要なない。なぜなら、今日からここも俺の管轄になったからだ。そして、お前は俺の部下になる」
「ふざけるな!だれがお前なんかの部下に……」
「ほら、その統括部長様直々にサイン入りの人事異動命令だ。ありがたく受け取れ」
こいつが見せた書類は確かに統括部長の直筆サインの入った書面だった。俺は同期のこいつの部下に降格。ゾンビになって悪夢を見るのは2回目だ。
「いや~お前がヘマしたおかげで大っ嫌いなお前の上司になれたわ。これからは、俺の出世のために働けよ。はっはっはっ」
アンデット社は実力主義の組織。弱者は強者の言いなりになるしかない。
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