2ターン目 新人社員のゾンビBです

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2ターン目 新人社員のゾンビBです

 いつもの全体号令を終え、持ち場へ着く前に、上司の指示通りに体の点検を始めた。  隣には、同期のA。黙々と自分の体の点検をしていた。俺もそれに倣い、手鏡を使いながら顔、後頭部、手足を目視、触診した。うん、まだ、肉が崩れていない。人っぽい。昨日死んだばかりだから、当然っちゃ当然だよな。  点検をしていると、ついつい右手にはめられた指輪を触ってしまう。この指輪がある限り、ゾンビを続けていかなくてはいけない。仮に指輪を外しても、魂が体から抜けて死体に戻る。まだ20代前半で死んだこともあって、生に対しての未練はあるし。ゾンビでもまだ、この世にいられるならゾンビでもいい。  ゾンビを辞めれば、本当に死ぬ。ゾンビを辞めたいなら、僧侶や聖水を持った人間に積極的に接触を図らなければいけない。アンデット社の言いなりになっている体を装いながら、浄化してくれる人を探していこう。欺くために、程度に人をゾンビにすることもしなければいけないが、これはもはや仕方のないこと。そう、言い聞かせるしかない。  隣で同じように点検しているAも黙々と作業している。時折、自分のように呪いの指輪を手でさすっている。思うところは同じだろう。 「B、そろそろ行くぞ」 「あぁ、俺も準備はできた。行こう」
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