5ターン目 立てなくなるまで酒を飲むお仕事です

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 とりあえず、国がかかわるクエストなのだろう。身分がハッキリとした以上、ゾンビは人の集まる街へやってきている。しかも、国がそれを認知している。だが、俺たちは何も知らなかった。そういうことになる。断れば、何年かかるか分からない違約金の返済生活。受けたとして、危険の多そうな怪しいクエストを受けねばならない。最後にサインをする前に聞いておく。 「サインすれば、洗いざらい話すんだろうな?命がけの仕事だ。俺が納得するまで質問はするからな、キールのおっさん」 「ああ、もちろんだ、ジール。この書面のここにサインをしてくれ」  仕方ない。気が進まないが後には引けない。おとなしくサインしてクエストに備えよう。 「ほらよ。これでいいだろ?話してもらうぞ」  忌々しい契約書を指先でつまんでひらひらさせてみた。それをキールのおっさんが俺の手から雑に奪ってサインを確認しながら、今回のクエスト内容説明が始まった。
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