5人が本棚に入れています
本棚に追加
とりあえず、国がかかわるクエストなのだろう。身分がハッキリとした以上、ゾンビは人の集まる街へやってきている。しかも、国がそれを認知している。だが、俺たちは何も知らなかった。そういうことになる。断れば、何年かかるか分からない違約金の返済生活。受けたとして、危険の多そうな怪しいクエストを受けねばならない。最後にサインをする前に聞いておく。
「サインすれば、洗いざらい話すんだろうな?命がけの仕事だ。俺が納得するまで質問はするからな、キールのおっさん」
「ああ、もちろんだ、ジール。この書面のここにサインをしてくれ」
仕方ない。気が進まないが後には引けない。おとなしくサインしてクエストに備えよう。
「ほらよ。これでいいだろ?話してもらうぞ」
忌々しい契約書を指先でつまんでひらひらさせてみた。それをキールのおっさんが俺の手から雑に奪ってサインを確認しながら、今回のクエスト内容説明が始まった。
最初のコメントを投稿しよう!