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─希子目線─
─病院─
紅蓮は病院に運ばれ病室でぴくりとも動かない。
目も覚まさない。
私は自分自身が情けなかった。
紅蓮と初めて会った時にあの悲しげな瞳を見たとき、私は紅蓮を護りたいと思っていた。
けど実際は護ることも出来なくて歯痒かった。
私にもっと力があれば紅蓮を護れたのかもしれない。
情けなかった。
私がもっと周りに気にしていたら火鳥くんの乱入を防げたかもしれない。
私がもっと強ければ共闘できたかもしれない。
私が…私が…
希子
「ごめんね。紅蓮。」
私は紅蓮の左手を握り締めて謝った。
騎士
「冬野さんは悪くないよ!!悪いのはあの通り魔だよ!!」
女子1
「しかしまた派手にやられたみたいね。死ぬんじゃない?」
女子2
「右腕を切り落とされていますねぇ~。」
女子3
「本当死ぬかもしれませんわね。」
私は火鳥くんのその一言が腹が立つ。
紅蓮はあの戦いの時、力でも技でもあの通り魔を凌駕していた。
あのまま戦っていたらおそらく負けることはなかっただろう。
なのに火鳥くんが妨害した所為で紅蓮は火鳥くんを庇って斬られて、右腕を切り落とされてしまった。
おまけに妖刀の能力の毒で紅蓮は苦しみ続けている。
紅蓮が傷ついたのは騎士を庇ったからなのに騎士はまったく反省の色が見られず、まったく悪びれもしない。
それが腹が立つ。
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