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バスン、バスン。
対象者の寝室のドアの前にいた不寝番2人の額に、45ACP弾をサイレンサー付きの拳銃で1発ずつ撃ち込む。
これで対象者を守る護衛はいなくなった。
寝室のドアを開け、対象者が眠るベッドに近寄り時間を確認。
23時57分、屋敷に侵入してから対象者の護衛を殺しながら此処に到着するまで10数分、悪くない数字だ。
10数人の護衛に守られていた安心感から熟睡している対象者に、俺は静かに声をかけ布団から出ている肩を揺する。
「オイ、起きろ」
肩を数回強く揺すると、対象者は呻きながら目を開け俺を見上げた。
「うーん……ッ……え!?だ…………誰だ?」
目を見開き俺を凝視しながら問い質して来る。
「あんたを恨んでいる奴から頼まれた者さ」
返事を返してやると対象者は大声を上げた。
「侵入者だぞーー!!誰かーー!」
「アーー無駄、無駄。
この屋敷の中で今息をしているのは、俺とあんただけだから」
「そ、そんな…………
わ、儂は誕生日の前日に殺されるのか…………」
「分かったよ、あんたにプレゼントをくれてやる」
「え!?」
「3……2……1……」
バスン。
誕生日に死にたかったようなので、ちょっと早いがプレゼントをくれてやった時間というプレゼントを、たった3秒だがお望み通り誕生日に死ねたのだ、ありがたく思ってくれ。
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