僕は彼女の・・・・

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ごめんなさい・・・ ピチャッ、クチャッ、ピチャッ、薄れ行く意識の中、室内に鳴り響く水音を何処か遠くに聞きながら、僕は彼女と初めて会った時の事を思い出す。 ・・・・・・・・・ ・・・・・ ・・・ ・ 僕の名前は有田 健吾。15歳。勉強も運動もそこそこ、顔だって悪くは無いが格好いい分けでも無い。いたって何処にでも居る様な何の変哲も無い人間だ。 やりたい事や、ましてや夢が在る分けでも無い。日々ただ過ぎて行く日常に何か刺激的な事が起きないかなぁ~、何て考えているつまらない奴。 だけど・・・・そんな僕でもこんな田舎には来たくなかった。 僕の親は離婚した。 前から仕事ばかりで家庭を顧みなかった父に母の心は限界を迎え母は浮気した。 不仲だった両親は母の浮気を機に別れたのだった。 まあ、当然の結果だとは思う。 息子である自分でさえこの家庭は続かないと思った位だ。この結果は不思議でも何でも無かった。 浮気した母は離婚届けに判を押すと、次の朝には少しの荷物を持ってもう居なくなっていた。しかし話しはここで終わってはくれなかった。 僕を引き取った父は、母が出て行った次の日には別の女を連れて来た。そう、仕事ばかり していると思って居た父もまた、母が浮気するよりも前から浮気していたのだ。 当然新しい生活を始める父に取って僕は邪魔者以外の何者でも無く、僕は祖母の元に追い出される。もとい預けられる事になった。 「離婚も浮気も何をしたって良いけど僕にまで迷惑を掛けないで欲しいなぁ」 祖母の暮らす土地は田舎どころか村としか言い様の無い廃村寸前の場所だった。バスは日に四本、コンビニは無く、駅も無い。在るのは田んぼと畑ばかり、今まで東京に暮らしていた子供には何の苦行だろう?と、言いたくなる様な環境だった。 「オマケに場所によっては電波も届かないとか・・・」 ここ日本?それが素直な感想だった。 そんな村は過疎化の影響で子供が少なく学校は取り壊され、僕は毎朝早起きしてバスに乗り近くの町の学校まで通わなければ行けないのだった。
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