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「今日の放課後一緒にやろう、分からないところは教えるし。だから今夜は早く寝てよ」
「おう、それなら出来る! 助かるよー」
「うん……恋人なんだから、このくらいはやらせてよ」
その言葉に、祥の心はきゅっと締め付けられた。そんな笑顔で言われたら、嬉しくて、恥ずかしくて、どきどきして。居ても立ってもいられなくなる。
「ね? 祥……」
再び永緒の顔が寄ってきて、頬に柔らかくて温かいものが触れる。 しかも、今度は唇が。
「……オマケみたいにキスすんなよ」
「じゃあ、今までのがオマケだったって思えるくらい濃いやつにする?」
「――っ! も、もしほんとに風邪だったらうつるぞ」
「祥にならうつされても良いよ」
「あ、ちょっ」
このままではうっかり食べられてしまう――なんて思って、目を固く瞑った時。昼休みの終わりを告げるチャイムが、学校中に鳴り響く。
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