第54話 夢で以前から続きを見る異世界の話。

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一番遅く動いている自分の映像は。右端の自分か。 複数の映像から、選択選した瞬間。私の思考時間。つまりラクさんとの会話していた間の記憶は消え、会社に通勤している私がそこには居た。 会社に到着した私は、結果として殆ど誰も出社していない会社に到着していた。 時間は、普通なら皆働いている時間なのに。 原因は、普段会社の殆どの社員が利用する電車に事故が発生し、運行が遅れてしまった結果、他の人より早く会社に到着できていた。 私が選択した映像はバスを使った、通常なら間に合わない渋滞ばかりのバスルートだったにも関わらず、結果早く到着したことになる。 その夜自宅。 ラク「なぜ否定されたのか理解できません」 怒りぷんぷん丸のラクさんが私の脳内で暴れていた。 うん。そうだね。でもまあ。アレじゃ否定と言うか、相手のプライドとかがあってね。無理なの。役職とかね。いろいろあるの。 ラク「定款の訂正提案は何処が問題なのでしょうか?」 訂正は良いんだけどね。役職ってのがあってさ、いきなり議題とか提案書とか書いて提案とかしちゃダメなの。空気的に。 ラク「それはあなたが係長だからですか?」 ぐあっは。まあそれもあるけど。いろいろあるんだ。会社ってさ。 ラク「予算で可能な上に、物理的にも、粗利的にも、人材的にもこちらの方が良いのに?」 もっともな事を繰り返すラクさん。普通ならばそれで良いのだが、会社には個々で判断と理解力に差が有り、常識から逸脱したと見なされるのだ。提案書の多くも。 でも、その経験の無いラクさんには納得できる筈も無かったようだ。 しかし。それにしてもすごい。もうそこまで把握したの?定款と月次と粗利率、クレーム比較だけで?マジか。ラクさん天才かお前。あ。まあ地球より進んだ惑星に居るから当然と言えば当然なのかもだけども。
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