始まり

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「ねぇ、ちょっと早いけど朝ごはんにする?」   壁の時計が午前5時の時報を打つ。 「水くれ」   凪はテーブル上のジョグからグラスへ水を注ぎ、   柾也の傍らへ跪いて水のグラスを差し出した。 「ハイ、柾也、お水」 「……の~ま~せ~てぇ? 凪ちゃん」 「もう ―― っ」   酔うといつも決まって、大人の駄々っ子と化して   子供以上に手のかかる柾也。   こんな時は彼の事がほんの少し、   可愛く見えてしまう私ってかなり末期かなぁと、   自嘲的笑みを浮かべつつ、   水のグラスを柾也の口許へゆっくりと運んでいく。   ――と、柾也は自分で”飲ませろ”と言って   おきながら、凪の手は遮った。 「……まさや、?」 「違うだろ? 飲ませ方が」 「!……」   凪は柾也と手元のグラスを交互に見て、   しばらく迷っていたが。   やがて意を決して、グラスの水を自分の口に含み   口移しで柾也へ水を飲ませた。   柾也は水を飲み終えても凪から唇を離さず、   徐々に口付けを深くしていき。   凪のシャツのボタンを外しにかかる。 「ね、柾也、今日は止めて? 学校あるし」 「それがどうした? オレはヤりたい」   軽く何度もの啄むようなキスを繰り返し ――、   やがてそれは、頬へ~首筋から胸元へと   下りて行く。 「ん ―― ほんと、やめ……ン、あぁ……っ」   弱いポイントの乳房を執拗に攻められ、   凪は抵抗するのを諦めて柾也へその身を委ねる。
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