始まり

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    「ん……やべぇ ―― なんか、今夜は絶好調みたい」 「え?」   言われた意味が分からず聞き返したが、   自分の手を柾也の昂ぶった下半身に導かれ   理解した。         「も、柾也ってば……」 「凪、も1回シよ?」   昨日、叔母から出された見合い相手の釣り書には、   そうそうたる学歴&経歴と現在の役職が羅列されて   いた ――。      西の ”東大” と、言われる、   京都大学政治経済学部 ―― 学科、主席卒業。      東亜銀行本社へ入社。      ”商品企画””M&A関連業務””営業統括”などの   部署勤務を経て、平成22年(2010年)・渡米。          ニューヨーク・コロンビア大学のビジネススクール   にてMBA取得。                                     ㈱ 山王本社、㈱ 蛯沢物産、   ㈱ スルガ出版、他の、役員に名を連ね……                                    そこまで読んだ時点で、凪は   ”うわぁ~~っ、こりゃダメだ。今まで会ってきた    人達とは格が違い過ぎる!”   と、思った。      相手の容姿は文句のつけようもなく”特Aランク”      こんな人がどうしてお見合いなどに頼るのか?   不思議になるくらいのイケメン。      そして、自分との”釣り合い”から考えても、   大きなギャップを感じずにはいられなかった。      だが、容姿だけは自分のタイプど真ん中。       柾也の言うよう、   旨いもん食べて、相手の男は適当に   あしらえればいいのだが……。     
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