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赤い糸は混線中!
学校からの帰り道、人気がなくなったときを見計らってフロイデ・ヴァイスが足を止め、肩のラインに切りそろえられた栗色の髪を揺らして振り返る。
「勘違いしないでよね」
彼女は赤地にピンク色の花が散りばめられた小さな包みをぶっきらぼうに差し出しながら言った。金色のリボンをかけてあるが、全体的に不格好で残念感がはんぱない。
「一応受け取るけど、コレなに?」
俺のてのひらにスッポリと収まっている小さな包。中身の見当はついているが、あえてきいてみる。
「チョコレート!あんたの事は嫌いだけど、いつも助けてもらってるから。それだけだから。義理、なんだからね!!」
そう顔を真っ赤にして捲し立てると足早で帰ってしまった。
俺とあいつが魔界から人間界にやって来て三ヶ月がたった。最初はあいつを捕まえて魔界に連れ帰るつもりだったが、あっちでクーデターが起きたとかで魔界の門が使えなくなってしまいこっちに取り残されたのだ。しかし、俺達は運良く人間界にいる魔界の住人に助けられた。それ以来、高校生としてすごしている。だが、俺は奴等を信用していない。全てが都合良すぎだ。あいつは気付いてないみたいだが。
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