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何かな?
怒られるのかな。
「カラスさぁぁぁん! これ落としたよー!」
ぶんぶん振られた手の中には、私が落とした胡桃があって、くるくる飛び回る私の下でいつまでも私を呼んでいる。
「ねーねーカラスさぁぁぁん! いらないのー?」
どうしようかな。
捕まえられたらどうしよう。
でもあの胡桃今までで一番大きなものだったしな。
「おーいおーい」
それでも呼び続ける人間の子供から少し距離を取ってゆっくりと降り立つと、泥だらけの子供が嬉しそうに胡桃を転がしてくれた。
「カラスさんも練習してるんでしょ? 私と一緒だね」
満面の笑みを浮かべる子供は、しゃがみ込むと突然話し始めた。
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