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 ドキドキしながら転がった胡桃を咥えて、じっと見つめてみた。 「私もねー逆上がりの練習してきたの、でも出来なかった。明日にはできるかなー」  さかあがり? 何だろう? 「でもねー、いっぱい練習したら絶対できるようになるんだって! だからカラスさんも頑張ってね!」  突然立ち上がったから、ビックリして飛び退いたら、口から胡桃が転げ落ちてしまった。  だけど、コロコロ転がったそれはまた子供の足元まで行っちゃったから、もう諦めて帰ろう。  そうしてもう一度飛び上がりかけた時、また子供が叫んだ。 「待って!」  背負っていたカバンをゴソゴソしだして、取り出されたのは白いご飯。  すっかり冷えきっているようだけど、とても美味しそう。
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