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「誠司!駅前のスーパーが卵安いって!」
「え、さすがに駅前まではちょっと」
「車出すよ?」
「行こう」
誠司とドライブデートです。
あー、助っ席でお財布の確認してるぅー、可愛いぃ~。
「兄貴?行かないの?」
「行く!」
学校の話をしたり、少し寒くなってきたねなんて話をする。
「まだ残ってると良いねぇ」
「そうだね。兄貴の車乗るの久々…俺も早く免許取りたいなぁ」
「誠司は俺の車に乗ってれば良いじゃん」
「何で拗ねるんだよ…。車買ったら行動範囲広がるし、こうやって駅の特売にも来れるだろ?」
うちの弟家庭的。
好き。
昔からずっとひとりで家事をして。
高校の自己紹介で好きなことは家事、得意なことは節約と言った弟。
不憫なような、愛おしいような。
「でも、誠司が運転席乗ったらきっとカッコイイよね」
「兄貴に言われると嫌味にしか聞こえねぇよ」
「何で!?世界で一番可愛いのは誠司だよ!!」
「カッコイイはどこいった…」
世界で一番可愛くてカッコイイ俺の弟は、今日も主婦達に負けず劣らず、特売88円の卵を捕獲しに行ったのでした。
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