6.俺と弟とドライブ

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「誠司!駅前のスーパーが卵安いって!」 「え、さすがに駅前まではちょっと」 「車出すよ?」 「行こう」 誠司とドライブデートです。 あー、助っ席でお財布の確認してるぅー、可愛いぃ~。 「兄貴?行かないの?」 「行く!」 学校の話をしたり、少し寒くなってきたねなんて話をする。 「まだ残ってると良いねぇ」 「そうだね。兄貴の車乗るの久々…俺も早く免許取りたいなぁ」 「誠司は俺の車に乗ってれば良いじゃん」 「何で拗ねるんだよ…。車買ったら行動範囲広がるし、こうやって駅の特売にも来れるだろ?」 うちの弟家庭的。 好き。 昔からずっとひとりで家事をして。 高校の自己紹介で好きなことは家事、得意なことは節約と言った弟。 不憫なような、愛おしいような。 「でも、誠司が運転席乗ったらきっとカッコイイよね」 「兄貴に言われると嫌味にしか聞こえねぇよ」 「何で!?世界で一番可愛いのは誠司だよ!!」 「カッコイイはどこいった…」 世界で一番可愛くてカッコイイ俺の弟は、今日も主婦達に負けず劣らず、特売88円の卵を捕獲しに行ったのでした。
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