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翌朝。
山「拓也、そこの照明少し落として。」
拓「これくらいでいいですか?」
山「OK……おい祐司!早く持ってこいっていったろ!」
祐「すみません、もう間もなく用意できます!」
今日も朝からスタジオは大忙し。
この日はファッション誌の特集ページの撮影。
朝から編集社、タレント事務所、ブランド関係者と多くのスタッフが集まっていた。
そんな中、山田先生のカメラの向こうで1人の女性が次々とポーズを決めている。
山「よーし、麻衣さん、次は後ろ向いてみようか」
彼女は白川麻衣。
俺と同じ22歳にして、大人気モデル。
ファッション誌の専属モデルを務めながらも、いくつもの雑誌に引っ張りだこ。
しかも、歌手までしてるんだと言うんだから驚きだ。
ポーズを次々と決め、表情を変えていく彼女の姿はスタジオを1段と明るくしていた。
山「はい、お疲れ様~!ちょっと休憩挟もうか!」
撮影がひと段落したらしく、スタッフ達が一斉に動き始めた。
祐「拓也、麻衣さんの飲み物出してあげて!」
そう言われて俺は水を注いだ紙コップを手に麻衣さんのもとへ駆け寄る。
拓「白川さん、お水です。よかったらどうぞ。」
麻「あ、ありがとうございます。」
ニコッと笑い、軽く会釈をする彼女に少し緊張してしまう俺。
やっぱり自分とは違って、輝いてる。
そう思った。
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