第56話 夢で以前から続きを見る異世界の話。

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できない事を言うと、言うことを聞かない。提案をすると反論したと捕らえる昔から続く社会構造と様々な問題の根源を直球で指摘してくるラクさんとのやりとり。 その通りなだけに苦笑いしかできない私は。どんだけ無能なんだろうと思うばかりだった。 これでは子供が夢を描いて将来を見れないのは、当然の話で、それをうやむやにするのは当たり前なのだから。そう理解しつつも。できないものはできないと親からも先生達からも。みんなそうして生きてきたのだ。 だから考えないようしていた。考えるのをやめた。 そうしないと大人に成れないからだ。 責任が大き過ぎて、指摘されるのが怖いのだ。 だから逆ギレすればいいのだ。 そうすれば生きられる。そんな世界なのだから。 でもラクさんは違った。 真正面から向き合っていて、どうするかを常に思考している。 その後の私は、ラクさんから聞かれる法律や社会情勢を説明するために、いろいろと調べては考えるの繰り返しになっていた。 何時目覚めるんだろう。この夢。と思いながら。 数ヵ月後。私は説明をするためには時間と範囲を使いながらできるだけ単純に、わかりやすく説明すると言うことができるようになった。
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