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「とりあえず、警察もやっただろうけどこの人を中心に他を探してみようかな」
警察から得た資料には監視カメラに映る女性の身元は割り出せていない。顔もわからないことから恐らく行き詰ったのだろう。警察にできないことでも、アトリエにはできることかもしれない。アトリエは手に入れた情報を再びメールで所長に送信する。すると返事は無いだろうと思っていたアトリエの携帯がほとんど間髪入れずに突然鳴る。
「えっと・・・」
返ってきたメールの返答に目を通す。
『学園ものはやっぱりブレザーよりセーラー服だな』
その瞬間、落ち着いていたアトリエの感情が爆発する。
「女子高生にわざわざメールで言うことかぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!!」
携帯電話に表示される文字に怒鳴ったところで何も変わることは無いのは百も承知だ。だが、どうしても怒鳴らずにはいられなかった。そして何となく制服のまま探偵業に勤しむ自分の姿に目が行く。
「私にセーラー服を着ろと?」
ブレザーの制服を着ているアトリエ。その姿に所長が飽きたのだろうか。
「女子高生が女子高生のコスプレ? バカバカしい・・・」
訳のわからない所長のメールを無視し、アトリエは次の被害者宅へと足を向け、足早に歩き始めるのだった。
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