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その後、他の二人の被害者である都議会議員の五十代男性宅、厚生労働省職員の四十代男性宅を訪れた。二人とも妻子持ちで家族暮らし、家は一軒家だった。
「めぼしい情報なし、か」
マンションの監視カメラに映っていた女性が残りの家を訪ねたかどうかを家族に問い、その回答はアトリエの欲しいものではなかった。
「両方とも来客はあった。訪ねてきたのは、都議会議員宅にはスーツをしっかりと決めた細身の男性が、厚生労働省職員の方には身だしなみにだらしないオタク風の男性。年齢は両方ともおそらく三十代だけど・・・」
来客があったことは一致している。しかし、その来客が一致せず、共通点が見当たらない。日が暮れ始めた街中を歩くアトリエは溜息を吐いている。
二件目、三件目を訪ねた後にそれぞれ手に入った証言などをまとめたメールを所長に送っていた。二件目の時は返答がなかったが、三件目の時は返答があった。
『コスプレって最高っ!』
「ふざけんなぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!!」
当然、発狂するくらい叫んだアトリエだった。
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