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「そそるわぁ、あなたの泥だらけの格好。これで雨でも降っていてくれたらそれだけで熱くなっちゃいそうよ」
学校の先生、ましてや保険医とは思えない発言を生徒に連発している。
「私の周りって変態ばっかり・・・」
所長に保険医、半端じゃない変態ぶりはアトリエを悩ませる原因の一つだ。
「そんなことより先生、どうしてこんな時間にここに?」
もう日が暮れている。そんな夜の公園に先生が足を運ぶ理由が無い。
「いつも遠回りをして帰っているのよ。ウォーキングってやつ。スタイルを始めとした美しさを磨くのは女の義務よ」
当然のように言い放つ保険医らしからぬ先生。
「そして男はそんな美しい私にひれ伏して貢ぐのが義務」
「ちょっと、先生? 先生が言っちゃいけないことじゃないの?」
アトリエの突っ込みに首をかしげる安里結。彼女には今の発言が当たり前のようだ。
「それより学生のあなたがこんな時間に何しているの? 事と次第によってはこれから私の自宅マンションに強制連行して朝までみっちりお仕置きになるわよ」
「公私混同極まりないですね・・・」
教師として言っているのかと思えば、自分の欲求を満たす本音が必ず付いてくる。変わった先生と言えば変わっているのだが、それでも知識や腕は確かな先生なのだ。
「いつものバイトです」
「ああ、いつもの探偵ごっこ? よく飽きずにやっているわね。まぁ私にはどうでもいいことだけど、私とお医者さんごっこがしたくなったらいつでも受け付けるわ」
「一生ありえませんから」
ボケているのか真面目に言っているのかさえつかめない安里結の発言。そんな変態発言に事務所の所長の言動で慣れてしまっているのか、即刻冷たい一言で一蹴してしまうアトリエだった。
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