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「……びっくりした。今の北川 悠貴だよな?」
「え? あ、そうなのかな?」
「雪愛は芸能人興味無いもんな。……戻るか。今ので酔い覚めたわ。佐藤さんに話したら喜びそうだし」
「うん……」
私は短く返事を返すと、動揺を悟られないように俯いた。
北川さん――、私に気がついていなかった。
たった1度会っただけだし、こっちは芸能人でも何でもない一般人なのだから、覚えていなくても仕方がない。
仕方ないのに……なぜ私は寂しいと思っているのだろう。興味が無いといいながら、私もミーハーだったのか、と苦笑する。
けれど、あそこで北川さんが私に気づいて話しかけていたら……と、思うとゾッとした。
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