たっくんの欲しいもの

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「ゴキブリ・・? あ~、ごめんごめん、パパ最近耳が遠くなっちゃって・・・。 うん、ブリキだな。 ブリキのおもちゃかな? ブリキのおもちゃは、プレミアものだぞ! たっくん、流石だなっ!」 「ブリキじゃないよっ! 僕ね『デュビア』が欲しいんだぁ~」 我が息子、拓未が両手を組んで『お星さまにお願い』のポーズを取っている。 蕩けるように可愛い。 すぐにでも、願いを叶えなければ・・・。 「デュビア?  あぁ~。ゲームソフトの名前かな。 たっくんもゲームに夢中になる年頃になったんだね。 ちゃんと、ママの言い付けを守れるなら、買ってあげようね」 「わーい! パパありがとう! ママは『ぜぇ~ったい、ダメ!』って言うんだ~! さすがパパだぁ~! 僕、パパ、だ~いすきっ!!」 うん、うん。 可愛い拓未のためだ。 多少高くても、買ってあげたい。 そんなわけで、私は拓未に手を引かれ、その「デュビア」とやらを買いに出かけた。
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