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父は機嫌がいいときはすごく朗らかで気前がよく、舎弟と呼ばれる人たちに奢ってあげたり、何かを買い与えたりしていた。
だが、何かの拍子で怒ると火山が噴火するかのように激昂し、大暴れして物を投げたり壊したりするので辺りが壮絶な有様になった。
その度に、母や舎弟の人たちが宥め、煽てて、文字通り身体を張って落ち着かせないといけなかった。
幼い私にとって父の二面性は不可解で、暴れる父は怪物のようで震えるほど恐ろしかったが、機嫌がいい時の父は頭を撫でてくれたりして優しかったので大好きだった。
でも大好きな父がするその行為は、何時まで経っても好きだと思えたことはない。
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