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その頃になると、父も私に対しての態度を変えてきた。
多分、父なりに思うことがあったのだろう。
相変わらず痛いだけの行為が終わると、いつも口にしていた治すためにやる行為だからという言葉と一緒に、
「お父さんは○○ちゃんを心底愛しているんだ。」
「○○ちゃんがいるからお母さんと一緒にいる。」
「○○ちゃんはお父さんのものだから、お父さんが悲しむことはしないな?」
「○○ちゃんは賢いから、これからもちゃんと秘密に出来るな?」
「家族がバラバラにならないためにも、これからも頑張ろう」
という事を付け加え始めた。
私はいつもどうしていいかわからず、唇の内側を噛んで頷くだけだった。
そんな私を見て、父は満足げに笑って頭を撫で、私の長い黒髪を指で梳いていた。
父に逆らうなんて、到底出来はしなかった。
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