安心

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成長するに連れて違和感が確信へと変わりつつある中、私はできるだけ家にいることを止めた。 あの行為がどれだけ間違っているかを分かりつつも父に逆らえない自分が許せず、意気地なしで、酷く汚らしいものだと感じていた。 だからせめて、家にいる時間を減らすことで父と対面することを避けるようになった。 幸いにして昼間は小学校に行っているので、学校の中では楽しく過ごせた。 私が通っていた小学校は、見渡す限りの田畑の中にぽつんとあるという、なんとも田舎らしい小学校だ。 全校生徒もそこまで多くなく、下級生や上級生でも仲のいい友達が何人かいる…そんな学校だった。
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