わるい子

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そんな私に父は、 「○○ちゃんは身体が弱い。  お父さんは○○ちゃんのためを思ってしているんだ。  だからこれは、お父さんと○○ちゃん2人だけの秘密にしなくちゃいけない。」 「○○ちゃんが元気になるために必要なことだ。」 「○○ちゃんが大人になれるように、お父さんも頑張っているんだ。」 といった言葉をよく口にした。 実際、その当時の私は身体があまり強くなく、熱を出して寝込むことも少なくなかった。 幼い私はその言葉を信じ、私の身体が弱いのが悪いとすら思っていた。 『お父さんに手間をかけさせている私が悪いんだ。 』 『だから、痛くても苦しくても我慢するしかないんだ。』 そう考え、私は嫌とは言わずに我慢し続けた。 いつか大人になって、身体が丈夫になったらしなくてもよくなる…そう信じていた。
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