397人が本棚に入れています
本棚に追加
「……」
「……」
学校から家までは歩いて20分くらい。
早瀬君の方が確かもう少し遠かったはず。
途中で大通りから一本奥に入った閑静な住宅街の歩道を歩く。
「……緊張してる?」
ずっと無言でひたすら歩いていた私に、早瀬君が笑いをこらえながら話しかける。
「し、してないしっ」
明らかに挙動不審。
実はめちゃくちゃ緊張している。
男の子と接点がない私は、こういうの、映画とかマンガでしか見たこと無いし。
ていうか、図書室では自然に話せるようになったのに、一歩外に出るとこんなに喋れなくなるなんて、我ながら情けない。
いや。
アレだ。
早瀬君がさっき、女性関係がそれなりにあるという事実を激白したからだ。
それで私の中に無意識に警戒心が生まれちゃったんだ。
間違いない。
最初のコメントを投稿しよう!