05

18/24
前へ
/24ページ
次へ
「手でも繋ぐ?」 「つ、繋がないよっ! 何言って……」 ハハ、と笑う早瀬君。 完璧に私をからかっている。 図書室の中では大声出せないからっていうのもあるけれど、外で喋るのって、なんか違うな、やっぱり……。 住宅街にまぎれた小さなカフェや公園を通り過ぎていく。 歩道際に植えてある緑がサワサワと風に吹かれる音がする。 ザッザッザッ、と2人の噛み合わない足音。 私はそれがやたらと耳についた。 「中2のつきあいの仕切り直しみたいだね」 急に変なことを言い出す早瀬君。 「そ、そうかな」 そんなこと言ったら、もっと意識しちゃうじゃん。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

397人が本棚に入れています
本棚に追加